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部活について考える(中学校の部活は必要なのか?)

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部活について考える(中学校の部活は必要なのか?)

部活について考える(中学校の部活は必要なのか?)

先日のブログ記事「「部活」について考える(小学生クラブチームと中学校の部活の違い)」の続きです。

「部活」について考える(小学生クラブチームと中学校の部活の違い)

私自身は「部活は必要」だと思っていますが、「世の中の流れは、部活そのものが悪」みたいな雰囲気を感じているので、中学校の先生とこの話題をしてみるとこんなリアクションをいただきました。

部活は生徒指導の一環。机の上の勉強が苦手な生徒が部活でイキイキとした姿を見ることができる。部活を通じて人間形成を図ることができるのだから、部活は必要。
自分の家庭を犠牲にした部分は否めないが、卒業時に保護者から感謝の言葉をもらったり高校でも頑張っている姿を見たりすると、非常にやりがいを感じる。
専門でない競技を受け持つことは大変だが、新しいことにチャレンジする良い機会。教員としての幅も広がる。

部活に熱心な先生ばかりの話ですので、部活に肯定的な意見になります。

Twitterでアンケートを取ってみるとこうなりました。

私のTwitterのフォロワー数は676、投票数は50票。
データとしては絶対数が少ないですが、70%は「部活はあったほうが良い」という結果でした。

私の結論は、

中学校の部活と必要。
しかし、部活のやり方を考え直さないといけない時代になった。

です。

「部活のやり方を考え直さないといけない時代になった」という理由は、文部科学省のホームページを調べた結果(以下の資料)です。

平成25年5月27日 運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書
~一人一人の生徒が輝く運動部活動を目指して~」からの抜粋

3.運動部活動の学校教育における位置付け、意義、役割等について
①運動部活動は学校教育の一環として行われるものです
○ 現行の学習指導要領では、部活動について、学校教育の中で果たす意義や役割を踏まえ、「学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意する」ことについて明確に示しています。
具体的には、中学校学習指導要領では、第1章総則で部活動について、第2章第7節保健体育で運動部活動について、高等学校学習指導要領では、第1章総則で部活動について、第2章第6節保健体育で運動部活動について、下記のとおり規定しています。
なお、学習指導要領にこのように規定されたことをもって、生徒の自主的、自発的な参加により行われるとの部活動の性格等が変わるものではありません。

○中学校学習指導要領(平成20年3月)(抜粋)
第1章 総則
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
2. 以上のほか、次の事項に配慮するものとする。
(13)生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、地域や学校の実態に応じ、地域の人々の力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

第2章 各教科
第7節 保健体育
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
(2)第1章総則第1の3に示す学校における体育・健康に関する指導の趣旨を生かし、特別活動、運動部の活動などとの関連を図り、日常生活における体育・健康に関する活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意すること。

○高等学校学習指導要領(平成21年3月)(抜粋)
第1章 総則
第5款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項
5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項以上のほか、次の事項に配慮するものとする。
(13)生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

第2章 各学科に共通する各教科
第6節 保健体育
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)第1章総則第1款の3に示す学校における体育・健康に関する指導の趣旨を生かし、特別活動、運動部の活動などとの関連を図り、日常生活における体育・健康に関する活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意するものとする。

とありますが、この文書が出て5年後(平成30年)にはこういう指針が出ました。

29文科初第1437号 平成30年2月9日 学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について(通知)からの抜粋

【学校の業務だが,必ずしも教師が担う必要のない業務】

⑥児童生徒の休み時間における対応
全ての教師が毎日,児童生徒の休み時間の対応をするのではなく,例えば,地域人材等の参画・協力も得ながら,責任体制の明確化・十分な情報共有を図った上で,輪番等によってその負担を軽減する等の取組を行うこと。

⑦校内清掃
各学校において合理的に回数や範囲等を設定し,地域人材等の参画・協力を得たり,民間委託等を検討したりするほか,清掃指導については,輪番等によって教師の負担を軽減する等の取組を行うこと。

⑧部活動
各学校において,教師の負担の度合いや専門性の有無を踏まえ,学校の教育方針を共有した上で,学校職員として部活動の実技指導等を行う部活動指導員をはじめとした外部人材の積極的な参画を進めること。
少子化等により規模が縮小している学校においては,学校に設置する部活動の数について,生徒や教師の数,部活動指導員の参画状況を考慮して適正化するとともに,生徒がスポーツ・文化活動等を行う機会が失われることのないよう複数の学校による合同部活動や民間団体も含めた地域のクラブ等との連携等を積極的に進めること。
教師の勤務負担軽減や教科指導等とのバランスという観点だけでなく,部活動により生徒が学校以外の様々な活動について参加しづらいなどの課題や生徒のバランスの取れた健全な成長の確保の観点からも,部活動の適切な活動時間や休養日について明確に基準を設定すること。
一部の保護者による部活動への過度の期待が見られることも踏まえ,入試における部活動に対する評価の在り方の見直し等に取り組むこと。
部活動に過度に注力してしまう教師も存在するところであり,教師の側の意識改革を行うために,採用や人事配置等の段階において,教師における部活動の指導力を過度に評価しないよう留意すること。

指摘されているように、国も部活による超過勤務時間が多いという学校の現場を問題視し改善する方向になっています。

実際のところはどうかというと、仕事柄、学校の職員室に頻繁に出入りしますので、目の当たりにしてます。

ワケスポーツ宇和店の閉店後(午後7時過ぎ)に中学校にお邪魔すると半分以上の先生が仕事をしている風景を見ます。
遅くまで仕事をされていますし、休日(土日)も部活に出られています。
長時間労働であることは間違いないと思います。
先生たちの長時間労働のおかげで部活が成り立っているという面は間違いないです。

○部活動の指導に当たった場合の手当の現状について
①部活動指導手当
一般的に、土・日曜日等(勤務を要しない日)に4時間程度、部活動指導業務に従事した場合に支給されます。国の義務教育費国庫負担金上は日額2,400円(4時間程度業務に従事)で算定されています。
②対外運動競技等引率指導手当
一般的に対外運動競技等において児童又は生徒を引率して行う指導業務で、宿泊を伴うもの又は土・日曜日等に行うもの(8時間程度業務に従事)について支給されます。国の義務教育費国庫負担金上は、日額3,400円(8時間程度業務に従事)で算定されています。
①、②とも具体的な支給要件や支給額は、地方公共団体の条例等において定められています。

運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書より抜粋

あくまでも国が負担する金額ですので、実際の手当の金額はわかりませんが、休みの日に部活に出ると4時間程度で2,400円。
4時間ちょうどだと時給は600円。
最低賃金割れしております。
丸一日(8時間)練習した場合の時給は300円。

ちょっとこれは問題です。
すべてがお金で解決するとは思いませんが、「部活が教員の職務の一環」(※)であれば、部活の指導時間に対する残業手当や休日出勤の手当はきちんと支払うべきだと思います。
ちょっと調べると、残業を平均的に計算したうえで給与が支払われているようですが・・・
(※)これについて触れるとものすごく長くなるので今回は控えます。

外部指導者を雇用する制度がかなり使いやすくなったと言う先生もいます。
すべてを先生に背負わせるのではなく、きちんとお金を支払って外部指導者を雇えば良いのではないでしょうか?
ただし、外部指導者を雇用しても学校の部活であれば引率等の責任者は学校の先生でなければならないと思いますので、先生の負担は変わらないかもしれません。
※部活指導員であれば引率もできるそうです。詳しくはこちらをクリックしてください

そして、校務分掌(学校内の役割分担)等の事務処理や保護者の対応などは昔よりも確実に増えていると聞きます。
「仕事量が増えているのに人員は同じ」であれば、負担が増えて当然です。

手当の充実や有給の外部指導者の雇用になるとネックになるのが行政の予算ですが、子どもたちは「大切な地域の宝」です。
その「宝」が育つ環境をより良くするための予算は増やしても良いのではないでしょうか?

子育て支援と聞くと児童手当など直接的な支援を思い浮かべますが、
①部活の指導時間に対する残業手当・休日出勤手当などの特別手当の充実
②教員数拡大による業務の分散
③外部指導者制度利用の拡充
といった義務教育の現場の整備も「子育て支援」の一環だと思います。

もう一度結論を。

中学校の部活と必要。
しかし、先生の長時間労働が前提となる今までの部活のやり方を考え直さないといけない時代になった。
です。

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和氣 宗一郎

代表取締役社長株式会社道後屋ワケスポーツ
愛媛県西予市宇和町生まれ。 硬式少年野球ボーイズリーグ「宇和フラワー」(現 宇和ボーイズ)、宇和中学校軟式野球部、宇和高校野球部と12年間野球三昧。 1年間の大学浪人生活を経て、関西学院大学に入学。卒業後は大手都市銀行に就職するが母の病気を機に1年半で退職し、平成16(2003)年に実家である株式会社道後屋ワケスポーツを継ぐ。 最も得意なスポーツはやっぱり野球。特にグラブ修理・スパイク修理に関しては自信があります!本業のかたわら母校の指導を行っていた時期もありました。 また、「スポーツを通じて、明るい活気のある人づくり・地域づくりに貢献する」をモットーに「四国西予ジオパーク」の活動や西予市商工会青年部の活動にも力を入れています。

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