2029年より小学・中学でレガシーが使用禁止に!
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2025年12月15日、公益財団法人全日本軟式野球連盟(以下、JSBB)が、2029年(令和11年)シーズンから、「選手の安全面を考慮」することを目的に、学童および少年においてバットの外表面にウレタン・スポンジ等の弾性体を取りつけたバットの使用を禁止するという通達を出しました。
要は、ビヨンドマックスレガシー系のバットの使用が禁止されるということです。
この理由が、更なる「選手の安全面を考慮」することとなっております。
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学童(小学生)に関わったことはありませんので、ここからは少年(中学生)に限った話です。
私は、中学軟式野球には指導者としても審判員としてもがっつりと関わっておりますし、少年硬式野球(ボーイズリーグ愛媛県支部)でも審判をしております。
中学軟式・硬式の両方を経験しているからこそ、M号球が硬式球よりも危険だと思ったことは眼球に当たったとき(※)くらいです。
※軟式ボールは硬式ボールと比べて変形しやすく、眼球に当たった場合に眼球全体に衝撃が当たる確率が高く、大けがをすることもあります。
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スポーツ時、硬いボールよりも柔らかいボールが目に当たった場合に重症になる事が多いです。
これは硬いボールは眼球の周りの骨が目への直接の衝撃を防ぐのに対し、軟式野球ボールやソフトテニスボールは変形して眼窩に食い込んでしまうので、眼球への衝撃が強くなってしまうためです。先が柔らかいバトミントンのシャトルも重症になる事が多いです。【中村眼科HPの記事より抜粋】
そして、私は、以下の3点から、この通達を非常に残念に思っております。
(1)再び、軟式野球が点がなかなか入らない競技になる
(2)JSBBの矛盾1 そもそも、JSBBが飛ぶバットの開発をメーカー依頼した
(3)JSBBの矛盾2 M号球への移行は、「硬式野球への移行円滑化」「打感・飛距離の向上(高反発化)」「安全性と普及」のため
(1)再び、軟式野球が点がなかなか入らない競技になる
私が中学時代はB号球。バットは金属または木製のみ。
ヒットが出づらく、点がなかなか入らない競技でした。
再び、軟式野球が打撃戦にならない(投手戦メイン)になるでしょう。
投手戦の醍醐味はもちろんあるのですが、ほとんどの試合が投手戦ではおもしろみに欠けます。
2025年12月時点。中体連ならびに連盟主催の大会では、同点で最終回を終えた場合の延長戦はタイブレーク制になっておりますが、点が入らず何イニングも延長戦が続く試合が出る可能性もあります。
(2)JSBBの矛盾1 そもそも、JSBBが飛ぶバットの開発をメーカー依頼した
自分から開発を依頼したにもかかわらず、それを禁止にするとは・・・
ビヨンドマックスの初代が誕生したのは2002年当時、技術レベルが上がるほど投手戦になりがちな状況を問題視した(財)全日本軟式野球連盟からの要望もあり「飛距離の伸びる軟式バット」開発がミズノ技術陣により進められていた。しかし軟式ボールは変形が大きすぎ、従来の素材や構造では大きな改善が見られない。 そこで「ボールではなくバットを変形させればどうか」と発想を転換。FRP本体の打球部にエーテル系発泡ポリウレタンを使用したところ反発係数が8%も向上し、飛距離も大きくアップ。軟式野球に衝撃を与えたビヨンドマックスの歴史がここに始まった。
ミズノHPより
(3)JSBBの矛盾2 M号球への移行は、「硬式野球への移行円滑化」「打感・飛距離の向上(高反発化)」「安全性と普及」のため
B号球からM号球に変更(重く・大きく・硬く)したのはJSBBです。
この理由が、上記の3つ。
ボールを変えたら危なくなったので、バットを規制する・・・
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神戸新聞の記事より
GoogleのAIモードで「軟式ボールM号球で怪我が増えた」と検索してみたところ、怪我が増加したという検索結果はありませんでした。
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では、『安全面を考慮』という根拠はどこにあるのか?
このルール変更でメリットがあるとすれば、高校で硬式野球をする選手にとっては、レガシー系バットを禁止した方が高校硬式野球への移行がスムーズになることです。
ヘッドスピードが遅くてもある程度の飛距離(打球スピード)が出るのが、レガシー系バットのメリット。
逆に、高校で硬式野球をする選手にとっては、実力以上に飛距離が出る・打球スピードがあがるため、これがレガシー系バットのデメリットになります。
2025年12月から、次男(宇和中野球部2年生)には、2月中旬までの約2ヶ月間、竹バットだけを使わせている(複合バット使用を禁止した)理由は、このデメリットを考えてのことです。
ここまで書きましたが、この通達が取り消されることはないでしょう。
ルールに則り、対応するだけのことです。
ただ、気になることが・・・
中学軟式野球は、硬式と比べると部活がメイン。
これから進む『部活の地域展開』(いつのまにか地域移行と言う言葉からすり替得られております)と合わせて、このバットの使用ルール変更が、中学軟式野球人口減少に繋がらないことを切に願っております。
和氣 宗一郎
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