タッチアップの正規なスタートはいつ?
2025年10月14日、MLBポストシーズン、ドジャース対ブリュワーズ第1戦で起こったプレイを解説します。
1死満塁、センター後方、ホームランかどうかといった大きなフライ。
この動画をご覧ください。
【話題のプレイ】
満塁ホームラン⁉︎
と思いきや、グラブに当たってホームランならず
それどころかなんとホームと三塁でフォースプレイのダブルプレーが成立
ルールのカギはフェンストップをどう扱うかpic.twitter.com/YCbCRG4CWV
— 松田 貴士(まつだ たかひと) (@T_Matsuda44) October 14, 2025
結果的には、センター→ショート→キャッチャー(3塁走者はフォースアウト)→キャッチャーが三塁ベースを踏み、二塁走者がフォースアウトのダブルプレーでした。
審判のジャッジを無視して、三塁走者が正規のタッチアップをしていれば、フォースアウトになることはあり得ませんでしたので、タッチアップのタイミングを説明しておきます。
ちょうど、1週間ほど前に、SEIYO Baseball Club の初心者選手向けに抜粋していた『野球のルール』を作成しておりました。
7. タッチアップ
0アウトもしくは1アウトで起こるプレイ。
フライを捕った野手が内野手か外野手やファウルかフェアかは無関係。フライを野手が捕ったら、走者は元にいたベースに戻り、ベースに触る(踏む)行為が必須。その後に次の塁に進むかは自由。これがタッチアップというプレイ。
タッチアップしても良いタイミングは、野手のグラブにボールが触れた瞬間。たとえば、レフトフライ。レフトが一度はグラブにボールを収めたように見えたが、一度ボールを弾いて地面に落ちる前に捕球した場合でも、最初にグラブとボールが接触した時点で、タッチアップして良い。
このように、ちゃんと、書いてます。
このプレイで、三塁走者は捕球したかに見えた瞬間に三塁ベースを踏んでおります。
そこでスタートを切りましたが、センターがボールを弾いたので、三塁ベースに戻る動作がありました。
ボールがフェンスに当たったかどうかの判断はわかりませんが、もう一度、センターがボールを捕球してから、再スタートしております。
これが原因で、三塁走者の本塁到達より送球が速かったため、本塁でフォースアウトになりました。
三塁走者が、最初にボールを弾いた時点で本塁に向かっていれば、フォースプレイにならず、タッチプレイとなっていたので、三塁走者の本塁到達がタッチより早ければ、得点が認められていました。
※その後に、二塁走者と一塁走者がフォースプレイでアウトになっていれば、得点は認められません。
この後は、センターフライに対する審判のジャッジ次第。
結果的には、センターがフライを弾いてフェンスに当たったので、フェア。
二塁走者も一塁走者も次の塁へ進塁義務を怠っていたので、ダブルプレーとなったでしょうが・・・
ということで、タッチアップのタイミングを正しく覚えておいた方が良かったというプレイです。
和氣 宗一郎
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